Enjoyサッカー

アクセスカウンタ

zoom RSS 温故知新で… ある本を読みながら…

<<   作成日時 : 2016/01/28 18:32   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

昨晩に、今日の診察時の合間に読む本をと…

書籍名は、ミケルスの「勝つチーム」作り
トータルフットボールバルセロナの原点

とても懐かしい本である。

この本の第6章 理論から具体的なトレーニングへの転換
という項目を読み始めようとした時に…

ある高校の先生が、スペインを訪れた際のコメントがSNSで入ってきたので…

スペインサッカーコード 「スポーツ」を「体育」として行うことの限界!?

「スポーツ」と「体育」!?


大学生時代、「スポーツ」と「体育」について、講義の中で学んだのですが、
いまいち理解することが難しいのと、

「スポーツ」と「体育」は、言い方が違うだけで、例えば、サッカーだったら同じ競技をするのだがら、
「スポーツ」だろうが、「体育」だろうがどっちでも構わないと考えていました。


スペインのバルセロナに来て、サッカーという「スポーツ」に日々関わっていると、
「スポーツ」とはこういうものなんだということを実感したのと同時に、
スペインで行われている「スポーツ」と、日本で主に学校を中心に行われている「体育」というのは、
似て非になるものだということを強く感じました。


「体育」は日本の文化だと言われてしまえばそれまでですが、
日本が日本人が世界に出て行き、ワールドカップやオリンピック等で戦ってこようとするときに、

日本人が考えている「体育」という常識は、
21世紀の世界で行われている「スポーツ」という枠組みの中ではもはや通用しないのではないかと考えております。


「体育」とは何か?
「知育・徳育に対して、適切な運動の実践を通して身体の健全な発達を促し、
運動能力や健康な生活を営む態度などを養うことを目的とする教育。また、その教科。」(大辞泉)

「スポーツ」とは何か?
「楽しみを求めたり、勝敗を競い合ったりする目的で行われる身体運動の総称
。陸上競技・水泳競技・球技・格闘技などの競技スポーツのほか、
レクリエーションとして行われるものも含む。」(大辞泉)


上記2つを読んでみると「体育」と「スポーツ」の意味がまったくと言っていいほど違うのがわかると思います。


日本で行われている「スポーツ」を介しての「体育」の目標というのは
、「スポーツ」を使って身体の健全な発達を促し、
運動能力や健康な生活を営む態度を養うことを目的とした「教育」だということです。

教師や親やコーチが「教育」を行うために「スポーツ」を使っているのです。


監督やコーチが選手を長時間練習させたり、非論理的な方法でシゴいたりしても、
「教育」をしていることになるのかも知れないということだと考えます。


例えば、日曜日にサッカーの大事な試合があるとします。
サッカー部員が200人いたとして、試合に出られるのは交代選手を含めても20名程度。
残りの180人はスタンドで応援という姿をよく見かけます。

3年間公式戦に1回も出場できなくても、一生懸命にチームを応援する姿を美談とする人もいるでしょう。

「体育」は「スポーツ」を使った「教育」の場なので、
試合に出られなくともスタンドから一生懸命応援して、
人格の形成を図るということも「体育」の枠の中では可能だと思います。


「体育」であるはずの「スポーツ」が「勝利至上主義」になる矛盾:

特に、高校の部活動では、部活が学校の宣伝になるので、強化部にして、
たくさんのお金をその部活につぎ込む学校もあることでしょう。

これ自体は、他の部活との兼ね合いもありますが、強化する部活を作るのは良いことだと思います。

ただ、これは「勝利至上主義」につながるおそれがあります。
その部活の監督やコーチを批判しているのではありません。

監督やコーチは勝たなければならないというプレッシャーも非常にあることでしょう。


「教育」が「体育」の目標であるはずなのに「勝利至上主義」である部活は本来の「体育」の意味「教育」を見失っていることもあるかも知れません。

「どんなことをしてでも勝て」「相手を蹴ってでも止めろ」「1点リードしたら、あとは全部クリアーしろ」「負けたら、一ヶ月間ボールなしで走りだけだ!」等、色々な指示が監督やコーチから発せられることでしょう。

ただ、これらの指示は「体育」の目標から反していると思います。


もしかしたら、そんな「勝利至上主義」のチームが全国大会で優勝することもあるでしょう。

しかし、極度の「勝利至上主義」は選手を消耗させ、「バーンアウト」や最近よく言われている「オーバートレーニング」でその競技から離れていく選手もいることでしょう。


プレイヤーズ・ファーストという「スポーツ」の定義:
日本サッカー協会の「プレイヤーズ・ファースト」


「ゲームは子どもたちの育成に大きな影響を与えます。
関わるさまざまな分野の大人の連携により、一人ひとりの子どもたちに最も適したゲーム環境を追求していくことが重要です。」


スペイン7人制サッカーの工夫:
スペインでの「プレイヤーズ・ファースト」も日本サッカー協会の指針を含んでいると思います。
その取り組みは、スペインでは小学生年代(11歳まで)では7人制のサッカーをしています。

グランドは11人制のグランドの半面を少し小さくしたものです。

面白いのは、ペナルティエリアの前にあらかじめオフサイドラインが引いてあるので
、審判はそのラインより前で選手がボールを受けたかどうかだけを見たら良いようになっています。

それらの関係かどうかわかりませんが、審判は1人制です。

審判が1人なので試合中に選手を交代する場合は、監督自ら第4審判の仕事をします。
時折、小学生の試合でも審判が判定のミスをすることもあります。

当然、親も審判に文句を言うこともありますが、一度言うとすぐに引き下がります。
スペインのグラスルーツでは、親などが審判や監督・コーチに暴言を吐かないようにクラブで指導をしています。
(それでも、熱くなりすぎるときもありますが)


日本は小学生年代は8人制で3人の審判と第4審判もいると聞いています。

スペインは、フベニール(高校生年代)4部リーグまでは1人審判です(フベニール3部からは審判3人制)。
当然、審判はオフサイドの判定を間違えることも多いですが、それでも試合は成立します。

審判のことより、選手をいかにプレーさせるか、プレーさせて、
競わせて結果として楽しませながら育成するかを非常に重要視していると思います。


試合を楽しみながら、競って、学ぶ:
スペインにも監督によっては小学生年代でも「勝利至上主義」の監督がいます。
ただ、スペインではそのような監督がいたとしても、
スペインサッカー協会が練習時間の制限(例:小学生:週3日、1時間から1時間15分程度)と1チームの人数制限(7人制サッカー:1チームの登録選手13人まで)、1人当たりの試合時間の設定(リーグ戦の40%の時間出場させる義務)があるので、そのルールの中で勝利を目指すことになります。


小学生の場合、病気などで試合の日に休む子供がいることもあります。
それで試合の人数があらかじめ足りなくなることがわかっている場合は(交代選手が少ないので)、1歳違いまでの幅なら、下のカテゴリーや上のカテゴリーからフィールド選手2名とGK1名を補充することが可能です。


また、自チームにとても上手い選手がいた場合は一つ上のカテゴリーでプレーさせることもできます。
ただ、その場合、同じ日に試合があった場合はどちらか1つの試合しか出場することができません。

同じ日にリーグ戦を2試合プレーすることをスペインサッカー協会は禁止しています。


また、サッカーを始めてまだまもない子供は自身の年齢より一つ下のカテゴリーからプレーを始めることも可能です。

FCバルセロナのカンテラは素晴らしい選手がそろっているので、わざと1つ上のカテゴリーでリーグ戦を戦っています。それでも強すぎますが。


スペインでは15歳までの年齢は育成を本当に重要視しています。
16歳(フベニール)になると競争すること、その中で勝つことを求められるようになります。

当然リーグ戦の40%の出場義務もありませんので、
試合に出場できない選手はそのチームで頑張って試合に出るか、
他のチームへの移籍も考えることでしょう。


試合で学ぶ、練習はその準備:
私がスペインにきて、実感するのは、「スポーツ」というのは試合に出てプレーすることが最も大事というか、
プレーすることがスポーツなんだということ
を日々実感しています。

スペインでもサッカーを通じて「教育」もしています。
でも、それはサッカーをプレーするために必要なルールや約束事を学ぶことで自然と身につくと考えていると思います。

例えば、スペインでは練習や試合の前と後で必ず監督やコーチに挨拶し握手をします。
そのようにサッカーという「スポーツ」を学ぶことが「人間教育」につながっているとも考えることができると思います。


スペインでの「練習」というのは、7歳のカテゴリーのチームであれ、試合のための準備をします。

もちろん、発達段階に応じてではありますが、システムがあり、1人1人のポジションを明確に決めて、
簡単な攻撃方法と守備の方法を教えます。

当然、コーナーキックなどのセットプレーの練習も少しだけですがやります。

7歳という年齢は頭でサッカーの理論を理解できる選手はほとんどいないと思いますが、
勘の良い選手は練習や試合を通じて、体で覚えた動きを表現できるようになります。

「マークを外す動き」だったり、空いているスペースを見つけてそこでボールを受けるなどが7歳でもできます。

もちろん、頭では理解できていないことが多いので、すぐにできることは限られていますが、
根気強くやっていると自然とできるようになっていることもあります。


スペインのサッカーには練習試合がない!?
こちらに来て驚いたことの1つに、日本で週末などによく行われている練習試合がスペインにはないということです。

例えば、日本では近くの学校と練習試合をするとします。
主審は監督かコーチか審判のできる生徒が担当します。

アシスタントレフェリーはもちろん生徒です。
グランドの中央に整列してジャンケンしてキックオフを決めます。
これが日常的な日本で行われる練習試合の風景ですね。

スペインにあるのは「公式戦」と「親善試合」です。

スペインではどんなに下のカテゴリーでも、公式戦以外に試合を組む場合は「親善試合」となり、
しっかり外部から審判を呼び、公式戦と同じとまではいきませんが、審判に出場する選手を紙などに書いてあらかじめ渡します。

その後、公式戦と同じようにスパイクなどのチェックをして入場し、握手して、キャプテンがグランドに残り、
コイントスをして試合開始です。

スペインではプロと同じようにプレシーズンやシーズン中に公式戦以外に試合を組む場合は
、「親善試合」となるのです。

当然、試合は1試合で終わりです。
一日中ぶっ続けで、3、4試合というのはありません。

スペインではサッカーを始めた最初のときから、クラブと契約し、メディカルチェックを病院で受けて、
選手登録をして試合に臨みます。

カテゴリーにもよりますが、約1っヶ月から2ヶ月のプレシーズンがあり、
親善試合をしてリーグ戦開始に向けて調整していきます。

小学生からユース年代までのリーグ戦はホーム&アウエーで年間約30試合あります。

リーグ戦が終わると(5月末か6月上旬に終わります)、1日限りのトーナメント戦に出場するチームもあります。
その時は試合時間は短いですが、3試合4試合やります。

それを1ヶ月間ぐらいやった後、サッカーキャンプなどはありますが、約2ヶ月間のオフになります。

例えば、7月、8月は完全オフで9月の初めからプレシーズンが始まり、
育成年代(15歳以下のカテゴリー)は10月からリーグ戦が開始されるというようになります。

このようにサッカーを始めた最初の日から、サッカー選手として扱われ、評価され、
上手い選手はどんどん上のカテゴリーなり、強いチームに移籍していきます。
また、その逆もあるでしょう。


「体育」から「スポーツ」へ変えることの難しさ:
スペインのサッカーのあり方、「スポーツ」のあり方がすべて正しいとは思いませんが
、スポーツはプレーをして相手と競って結果として楽しむものだということが本当に重要だと思います。

現在の日本の置かれているスポーツ環境では、難しいことも多々あることでしょう。
でも、少しずつではありますが、「体育」の目標である「教育」から、「スポーツ」の概念である「プレーをして相手と競って結果として楽しむ」ことを目標とする部活やスポーツクラブ、Jリーグチームなどが出てきているのは嬉しいことだと感じます。


私もスペインに来るまでは、高校の体育教員をしながら、サッカー部の顧問をしていたのですが、
何かがおかしいと思いながらも、どうすることもできませんでした。

それが、スペインのバルセロナに来て、日本を別の角度から見て、
スペインと日本のスポーツ環境を比較して気がつくことが多々ありました。


日本はやはりというか、島国なのでどうしても、日本人だけで考え、行動する。
それは日本国内では通用しても、いざ世界に出るとそれが通用しないことに気がつきます。

私は、日本で得たサッカーの知識をスペインでも活かそうと考えてましたが、
まったくと言っていいほど、自身の考えが独学で、サッカーの本質を理解していないことにスペインサッカーコーチングコースや日々のクラブの練習や試合で気がつかされました。

サッカーを知らないことを知らなかったのです。

スペインに来て、サッカーを0から勉強することになるとは思いもしませんでした。

日本の「体育」を「スポーツ」に変えるには、日本の指導者や指導者を目指す若い人がもっともっと海外に出て学ぶ必要性を強く感じます。

だれが言ったか覚えてませんが、まだ車という乗り物が世間一般で知られていない時代、
このような質問がありました。

「あなたは、どのような乗り物が欲しいですか?」
「私は馬が欲しいです」

以上 

共感… Enjoyなべ






不器用なドリブラー
創美社
会津 泰成

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 不器用なドリブラー の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
温故知新で… ある本を読みながら… Enjoyサッカー/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる