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zoom RSS 「遊びごころ」と「自立」 という記事が…

<<   作成日時 : 2014/10/03 20:29   >>

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U-16日本代表監督が強調する『自立』の本当の意味とは

■ポゼッションサッカーには、自立した選手が不可欠

16歳といえば高1と早生まれの高2(※U-16のカテゴリーは、1月1日で区切るため、
早生まれの選手は対象内となる)の選手が中心となる。

このカテゴリーは、子どもとみなすか大人とみなすか、ちょうど境目となる年代である。
サッカーでは個の技術の向上だけでなく、
大人のサッカーへとステップアップしていくための戦術や戦略を身につけていかなければいけない。

そういう面で、吉武監督はこの戦術と戦略を重視し
『明確な方向性の中で、個を生かす』ことを実践する指揮官であった。


吉武監督が標榜するサッカーはポゼッションサッカー。

日本人のウイークポイントであるフィジカル勝負を避け、特徴である俊敏性と勤勉性を生かし、
全員が的確なポジション取りをすることでパスを繋いでいくサッカーだ。


このサッカーをこの年代で体現するために、
吉武監督が何度も口にしていたのが『自立』という言葉だ。


「ポゼッションサッカーという言葉の意味を、ぼくは前に出て行って崩すことだと捉えています。
しかし、選手たちは『繋げばいいんでしょ』と思っています。それは違う」

『やらされているサッカー』ではなく、『相手を崩すために、自ら考え、動くサッカー』をしないと、
同じポゼッションサッカーでも意味は全く違ってくる。



あくまでポゼッションは『目的』ではなく『手段』である。
では吉武監督は、選手の自立にどのようにアプローチしたのか。


まず吉武監督は今回の98ジャパンの前にも、94、96ジャパンを率いて、
U-17W杯においてそれぞれベスト8、ベスト16という成績を残している。

当時から吉武監督は選手たちに『自立』を求めていた。


「選手には自分で考え、自分たちで相談し、実行する。
我々はこれを『共鳴』と呼んでいますが、一人ひとりが『自立』できるようにしたい」。


吉武監督は、自分たちの言いなりになって子どもたちがサッカーをすることを嫌い、
あくまで選手主体のサッカーを強調する。


「サッカーをよりおもしろくさせるためには、中学年代のうちにある程度の技術を植え付けないといけない。
15、16歳までの間に、もっともっと『宝物』を持たせて、次(の指導者)に渡していかないといけない。

日本人は精神的な強さの中に集中力があるし、分析力もあると思う。
分析力がないと、精神的な強さは成り立たない。

だからこそ、選手個々の『自立』が必要なんです



■ピッチ上の自立は私生活から

いかに若い選手たちをひとりの人間として自立させるか。
ピッチ上ではつねに相手の状況を見て、自分がどこのポジションに立てばいいか、
どこを狙えばいいかをつねに考えさせる。

そしてアプローチは、私生活にも及んでいる。

オフ・ザ・ピッチでも、選手全員で映画を見て、その感想をグループディスカッションして、
それぞれがみんなの前で発表するというもの。

その題材となる映画も『アルマゲドン』などの、グループワークや結束力をテーマにした映画を見せ、
それについて意見をぶつけ合わせる。

さらに合宿ごとにゲストを呼び、そのゲストの話を聞いて同じようにディスカッションするなど、
あくまで自ら考えコミュニケーションをとる中で、自分の考えを磨くアプローチをしている。


「大事なのは自分の責任でプレーを選択すること。育成年代では采配うんぬんよりも選手が感じるかどうかが大事。考えるのではなくて感じることができるか。ピッチ上のどこにチャンスがあって、どこにピンチがあるか。この感性を鍛えないと10年後はないと思います。いま、自分の責任では社会が動かない世の中になってきている。サッカーの部分でそこをくすぐりたい」。

ピッチ上での自立は私生活から。私生活で感性を持って、自らの意志で考えて行動する。

「自ら自分を律して、自分の責任で生活リズムを作る。
これが育成年代からできるかどうかが大事。

92年のネイマールはもう世界のトップスターになっているのに、日本からは誰も出ていない。
これは悲しいこと。

彼らが20歳や21歳になった時に、ひとりでもトップに行ける集団になってほしい」


今回、残念ながら結果は出なかった。

しかし、だからといって吉武監督のサッカーとそのアプローチが、これで途切れてしまうのはもったいない。

自立はなにも吉武サッカーにのみ大切なことではない。

サッカーにかぎらず、子どもが関わるさまざまな場面で重要なファクターなのだ。

自ら考え、選択肢を生み出し、決断して実行する。

それは決して、わがままや自分本位では成立しない。

周りを見て、状況を見て、自分の本心や本能まで見たうえで、多角的に判断する。

吉武サッカーが投げかけたものは『単なるポゼッションサッカー』ではなく、

『選手個々の自立に基づいたポゼッションサッカー』であり、
自立こそが子どもから大人に切り替わっていく過程において、無くてはならないものである。


■日本に失われつつある『遊びごころ』

香港、中国、オーストラリア、韓国の4チームと戦い、
すべての試合で日本がボールポゼッションで圧倒するも、
内実はポゼッション“させられている”ことが多かった。

そして、香港(2-0)、中国(3-0)には勝利できたが、オーストラリア(2-4)、韓国(0-2)には敗北。

オーストラリアと韓国には前線に高い能力を持った選手がおり、
カウンターの精度が高かったことが負けた要因。

それを差し引けば、この4チームは日本に対してほぼ同じ戦い方をしてきた。

結局、ポゼッション“させられる”時間が長くなり、そこで生じたミスをしたたかに突かれた。
このミスを突かせないように戦うには、

やはり試合を読む眼や、ピンチやチャンスを逃さない眼を持たないといけない。


「いまの子どもたちは、正直、遊びがないと思います。
サッカーをやらされている感覚があると思う。

サッカーは遊びです。

むかしは、近所の広場や学校のグラウンドにみんなで集まって、

木や自転車をゴールに見立てたりして、みんなで楽しくアイディア豊かに自分たちでルールを作って、
そのルールの中で良い汗をかきながら、プレーを工夫していました。

でも、いまはそういう遊びがなくなってきている。

結局、誰かに決められたルールがあらかじめあって、
それになんとなく従っていることが多すぎる気がします」(吉武監督)。


遊びの中で創意工夫をしながら、イマジネーションを膨らませてプレーする。

この『遊び心』が、いつしかこうしなければいけない、
こうやらないといけないという『義務』に変わってしまっている。



戦術論が発達し、海外サッカーやJリーグなど、
子どもたちにいろいろな情報が入ってくる中で

『サッカーはこうあるべき』ということを育成年代から決めてしまう傾向がある。


もともと技術というのは、生かさなければ意味がない。
技術を生かすということは、止めて蹴る精度を高めるための地道な基礎練習を繰り返すこと。

戦術の理解力はもちろん必要だが、それを応用する力がなければ『宝の持ち腐れ』で終わる。
応用力こそ豊富なイマジネーションや状況や流れを読む目、直感的な本能を必要とする。



そういうものを指導で引き出すのは、なかなか難しい。

ジュニア、ジュニアユース年代でそういうものを身につけることができなかった選手が、
高校やJユース、そして今回のU-16日本代表のように、

明確な指針や戦術を持つ集団に入った時に、
そこで独創性やイマジネーションを発揮することは非常に難しい。


■選手は自立することで状況に応じた正しい判断ができるようになる

「いざというときに持っている力を出せないのが、日本の15、16歳の選手の特徴。
いい時はいいけど、いい部分が出なくなると、ぱったりとトーンダウンしてしまうのが現状。


それは課題であり、まだまだ本物ではないという証拠」と吉武監督が語るように、
その指針や戦術をこなすことに頭がいっぱいになり、
ある程度のレベルまではこなせるが、状況が悪化したり変化した時に対応できなくなってしまう。

準々決勝の韓国戦の前日、吉武監督はこう話していた。


「明日は何が起ころか分からないし、すごくタフなゲームになるのは間違いない。
予測不能なことが必ず起きるので、そこをいかに適応するのか。

適応力というのを、この1年半ずっと選手と共にやってきたので、
不測の事態にいかに対応できるかを見てみたい。どういう表現をするのかを見たい」。


しかし、結果的にはFCバルセロナの下部組織に所属する韓国のエース、イ・サンウの個人技に崩されてしまった。

「(イ・サンウは)想像以上に速かった」とある選手が語ったように、彼の個人能力の高さが予測以上だった。

そこに対応できずに敗れてしまった。
特に2点目のシーンは、ハーフウェイラインの手前から約60mをたったひとりにドリブル突破された。

このとき、日本は3人のDFが対応していた。
にもかかわらず、誰ひとり彼に触れられないまま、GKも交わされて決められた。

ひとりがサイドを切り、ひとりが縦を切り、もうひとりがカバーリングすれば、十分に対応できていた場面だ。
こうした判断も、持っている技術を生かす能力であり、応用力である。


「もちろん戦術はあるが、大事なのは自らアクションを起こすこと。

次に何を自分がやりたいのか。

試合の中で自分が主導権を持ち、プレーの責任を自分が取るという、
そういった姿勢をピッチの中で表現してもらいたい
」(吉武監督)。


98ジャパンの冒険はアジアで終わった。
結果が出なかったことを批判するより、なぜ結果が出なかったのか。

何が問題で、何が必要かを考えていかないと、建設的ではない。

98ジャパンが示してくれた課題をみんなで考えていこうという問題提起であり
『相対的な視点に基づいた判断』の重要性だ。

この相対的な視点に基づいた判断を養うためには、
選手が『自立』することが不可欠である。


指導者、親、子どもたち、そして我々メディアがしっかりと考えて、
今後のサッカーの発展に繋げていかなければならない。


以上

「共感」 「共鳴」 シェアさせていただきます。

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