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zoom RSS 元ケルン育成部長が語るドイツ復活の理由 鍵は『タレント育成プロジェクト』にあり

<<   作成日時 : 2014/07/04 23:06   >>

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元ケルン育成部長が語るドイツ復活の理由
鍵は『タレント育成プロジェクト』にあり


ワールドカップ(W杯)16大会連続18度目の出場となるドイツは言わずと知れたサッカー大国の1つだ。
ここ最近でも、2002年準優勝、06年3位、10年3位と好成績を残している。

今大会もグループリーグを首位で突破し、決勝トーナメント1回戦ではアルジェリアの堅守とスピードあふれるカウンター攻撃に苦戦しながらも、最終的にはしっかりと勝利を収めた。

しかし毎回コンスタントにしっかりと勝ち上がってくるドイツだが、
常に順調な歩みをしてきたわけではない。


 かつては「固い――強い――でも面白くない」とやゆされていたドイツが、
「固い――面白くない――でも強くもない」と言われた時代もあった。

1990年から00年にかけて、他の列強国が4バックシステム、ゾーンディフェンスといった新機軸に取り組みだす一方、ドイツはあくまでも「自分たちのサッカー」だけをかたくなに信じこんだ。

世界王者としての自負が新しいものへの挑戦意欲を削ぎ落とし、
自分たちへの誇りはやがておごりとなってしまった。


よりコレクティブに、よりスピーディーになっていく世界サッカーの流れに完全に乗り遅れたドイツは、
00年の欧州選手権でグループリーグ敗退という惨敗を喫して、
ようやく現実を受け入れた。

技術力・創造力を持った選手を育成するためにフランスやオランダをはじめとする各国の育成システムを学び、
ドイツ人にあった長期的な『タレント育成プロジェクト』を作りだし、復権に向けて歩みだした。


 あれから14年――ドイツサッカーは確実に変わった。

中盤には確かな技術と豊富な創造力を持つ選手が数多く生まれ、
チームとしての駆け引きをしながら相手守備を崩していくコレクティブなチームが増え、
「固い――強い――面白い」サッカーが見られるようになった。


そんなドイツについて、育成の名門FCケルンでルーカス・ポドルスキらの指導に当たり、
ケルン体育大学で講師を務めるなど、

改革の最前線で奮闘していたドイツ人コーチのクラウス・パブストに分析してもらい、今大会におけるドイツの戦いぶりへの考察と、『タレント育成プロジェクト』がもたらした影響についてを語ってもらった。

イメージ通りにできるほどサッカーは簡単ではない

 初の決勝トーナメント進出を果たしたアルジェリアに押し込まれ、
延長戦の末に辛くも勝利したことでドイツメディアはこぞって「過去最悪の試合の1つ」と批判した。

元ドイツ代表キャプテンのミヒャエル・バラックも「あまりの酷さにショックを受けた」とコメントしたほどだった。理想論と完全主義での記事が多く見られる中、パブストは冷静に試合を分析してくれた。


「アルジェリア戦に関しては、問題をうまく解決したと思っている。
いろいろと批判されているが、ではあのアルジェリアの守備をどうやって崩せばいいというのか。

非常に深い位置で守る守備陣、技術レベルの高い選手によるカウンターも強力だった。
ドリブルに強い選手を入れる? 縦に早くパスを入れる? 100%突破できる選手がいるのか?

 ボールを失う可能性があるときに、縦パスを入れてカウンターを受けても同じようなことが起こる。
序盤とCKの後に簡単にカウンターを許したのを除いて、相手の攻撃をしっかりとコントロールできていた。

良かったと思う」

 かつては勝てば満足だったファンは、いつの日か美しいサッカーをしながら勝つことを求め出した。

華麗なプレーでファンを魅了し、相手の攻撃を無力化し、隙を見せないサッカーで優勝をもぎ取ることを当たり前に要求し、机上の理論通りに試合が進まないと「これでは優勝できない」と騒ぎ出す。

しかしすべてが自分たちのイメージ通りにできるほどサッカーは簡単なものではない。
ましてやW杯の対戦相手はどこも強い。


 パブストも「ここまでドイツは非常に堅実な戦いができており、前回大会よりも勝つことを優先した戦い方をしている。そしてここまでの試合を見る限り、ドイツより良いサッカーをしているチームはほとんどないと思う。

周りがなんと言おうと、ドイツが今大会でもベスト8まで来たのは素晴らしいことだ。
イングランドサッカーの関係者は、われわれの状況を非常にうらやましく思っているはずだ」と代表をポジティブに見ていた。


 また賛否両論いろいろと騒がれている選手起用に関しては、
「今シーズン、フィリップ・ラームはボランチですごく良いプレーをしてきた。

もちろんバイエルン・ミュンヘンと代表チームでは役割が違うが、それでもしっかりと機能している。
それに彼はキャプテンだ。

ボランチの位置からチームに影響を及ぼしたいとキャプテンが言ってきたら、その選手を右サイドバックに起用するのは監督として非常に難しい。

攻撃陣に関しては、個人的には本職FWの選手を入れることで前線にポイントを作った方が良いと思うが、みんな素晴らしい選手だからね。

4年前に絶賛された(アンドレス・)イニエスタのように、マリオ・ゲッツェやトーマス・ミュラーは深く守る相手に対して有効な手段になりうるだけの才能がある」と見解を示していた。

現状を分析し課題と向き合い、また新たな道を模索する

タレント育成プロジェクト』導入の成果が出た最初の世代がバスティアン・シュバインシュタイガー、ルーカス・ポドルスキ、フィリップ・ラーム達だった。

既にベテランの域にさしかかった彼らの後には09年U-21欧州選手権優勝組のメスト・エジル、ジェローム・ボアテング、マヌエル・ノイアー、サミ・ケディラらが続き、さらにゲッツェ、ミュラー、トニ・クロース、ユリアン・ドラクスラーら期待の若手も成熟してきている。


ブンデスリーガでは毎年のように10代選手がセンセーショナルなデビューを飾り、昨季ブレイクを果たしたシャルケのマックス・マイアー、レオン・ゴレツカ、シュツットガルトのトビアス・ベルナーのようなが若武者が虎視眈々(たんたん)とA代表入りを狙っている。

 『タレント育成プロジェクト』が導入される前のサッカーと今とを比べて、パブストは「00年のころは、
まったく若手育成の整備はされていなかった。

コンセプトも、システムもなかった。

あの欧州選手権での敗北を受けて、このままでは駄目だと本格的に動き出したドイツサッカーは、ドイツ全土に眠るタレントの卵を見逃さないようにと、長期的なタレント育成コンセプトを作り上げ、実現できるようにあらゆるところを整備し、着実に育成プロジェクトを進めてきた。

育成は『はい、やりました』と言ってすぐに結果が出るものではない。
しかし正しいプロジェクトを長期的に、辛抱強くやり続ければ、必ずいつかは成果が出ると信じていた」


 「僕らはプロフェッショナルに育成に取り組んだ。
つまりプロフェッショナルに育成された指導者を、プロフェッショナルな人材として評価し、それに見合ったお金を支払い、タレント育成に取り組んできた。

そうした育成が浸透すれば、A代表にもちろん好影響は生まれる。

この10年間、特に技術力アップに集中して取り組んできたが、
その成果はしっかりと出てきている」と、言葉をかみしめながら当時を振り返った。

 それまでのドイツでは、オーバートレーニングの弊害が問題視されていた。
勝つことにこだわる指導者が頭ごなしに子どもたちに要求し、その枠の中だけに閉じ込められた選手ばかりになってしまった。

指導者の言う通りにプレーでき、1対1に強く、最後まであきらめないで走れる選手だけが重用され、
創造性があってもボディーコンタクトに難がある小柄で俊敏な選手の居場所はなかった。


 今、ようやくドイツの育成は詰め込み式ではなくなってきた。問われるのは専門的な知識だけではなく、指導者としての人間性と立ち振る舞い。正しいサッカーのベースを教えながら、選手が自主的に答えを探そうとする姿勢をサポートすることが求められている。

AとBからCを見つける発想が育成には必要

指導者が与えるのはヒントだ。答えじゃない。

技術・戦術・フィジカルだけではなく、それを生かすためのプレーインテリジェンス(プレーの発想)、これを発展させなければならないんだ。


いつどこへ動くのか? いつどうやってパスを出すか? 
守備ではプランがあるが、攻撃にはプランはない。あるのは手段だ。

決断する場面までの道筋は指導者が示し、最終的には選手が自分で判断しなければならない。
攻撃ではどこかで創造的な瞬間が必要になるんだ」とパブストは力を込めて語った。


 将来性のある子どもたちに最適なトレーニングをと、ブンデスリーガ各クラブは育成アカデミーを持つことが厳命となり、ドイツ全土に350箇所以上のシュトゥッツプンクト(トレセン)が設置された。


確立された新しい育成法を浸透させていくために、ドイツサッカー協会(DFB)や地方サッカー協会による“お父さんコーチ”のためのミニ講習会(無料)が定期的に開かれている。

そうした長年にわたる努力があったからこそ、ドイツは世界有数の育成大国になった。
しかしまだ満足はしてない。うまくいった点もあれば、改善点もある。


「確かに代表を見てもそうだが、エジルやゲッツェのように創造性のある技術力に優れた選手が増えた。
しかしその影響か、逆にDFの育成で課題が出ているんだ。

今大会のドイツを見ても、そのあたりに問題が生じている。
アルジェリア戦ではマッツ・フンメルスが欠場したために、本来中盤を得意とするボアテングがCBに回ったが、ボアテングとペア・メルテザッカーでは厳しいのが正直なところだ。

ボアテングはバイエルンでレギュラーだが、その相棒はブラジル代表のダンテ。
ドイツ国内では他になかなか選択肢がないからだ。

あとは、これまでいたはずの力強い得点力のあるCFや攻守に優れたSBも少ない」とパブストは指摘し、
そのための修正案を提示する。

 「ということはこの点も大事にして、育成に落とし込まなければならない。
大きくて高さのある選手に、小柄な選手ばりの技術を求めるのは間違っている。

素早いドリブルをトレーニングするよりも、確実なボールキープとパス能力が身につくようにトレーニングすれば、
素晴らしい選手になる。

育成は常に自問自答し続けなければならない。
何をより改善することができるか。
それはわれわれ育成層の指導者にかかっている
んだ」

現状を分析し、そこから出てきた課題と向き合い、また新たな道を模索する。

あるのは1つの扉だけではない。

「A or B」の間で答えを探しているだけでは先には進めない。

AとBからCを見つける発想がまた1つ上のステージに繋がっていくのだ。


以上 ご参考までに… Enjoyサッカー なべ

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