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<<   作成日時 : 2013/10/06 23:24   >>

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結果よりも、全員が試合に出ることに価値がある 兵庫FC


私のN体育大学の先輩で現T第2高校の監督であるKさんが、コーチとしてお世話になった兵庫県のクラブチーム。

その関係で、初の関西遠征を実施させていただいたクラブチーム。


クラブU15で日本一になって…


今年の第37回全日本少年サッカー大会決勝大会でベスト8に輝いた兵庫FC。

これまで7回の出場を誇り、各種大会でタイトルを獲得しているこのクラブでは他のクラブでは見られないちょっと珍しい起用法を行っています。

それは『選手の総入れ替え』


 2年前に行われた35回大会では、登録選手16名を前後半で総入れ替えをし、

全選手に出場機会を与えながら予選リーグトップ通過。

決勝トーナメントで、川崎フロンターレU-12に敗れはしたものの、

試合内容も高く評価され、大会特別賞を受賞しました。


全選手に出場機会を与えながら、結果も残すという作業はとても難しいこと。

今回は兵庫FCの永浜和紀代表になぜ総入れ替えをするのか、メリットや考えについてお聞きしました。


■ジュニア年代の選手に大きな差はない

 永浜代表はジュニア年代の選手について、「大きい、小さい、速い、遅いとか発育の関係での差はあるけど、

大人が思うほど大差ないと思っている」と話します。

同じ練習をしていても、ドリブルが得意な選手、かけっこが得意な選手、ジャンプが得意な選手と個性はそれぞれ。

トータルで見ると大きな優劣はなく、多くの選手にチャンスをあげることで、

個性を伸ばすきっかけになって欲しいとの考えがあります。


 クラブ創立以来、こうした考えの下、なるべく多くの選手に出場機会を与えてきた兵庫FCが、

総入れ替えをするようになったきっかけが2011年の11人制から8人制への移行でした。


これまでよりの出場機会が3人減り、選手交代をしていては多くの選手をなかなか使えません。

当時の6年生はAチームとBチームの間に力の差があり、

紅白戦をやっても勝てない状況が続いていましたが、

全国大会出発前日に試合をした所、

Bチームの状態が良かったため、

「凄く頑張った。


これなら、前後半、別のチームでも十分やれる」(永浜代表)という手応えを感じ、

全日本少年サッカー大会で試したところ、ベスト8という結果にも繋がりました。


 全員を使い、結果を残すという作業は「毎年がそうではないし、

“兵庫FC=総入れ替え”と思われるのはうちにとってはプレッシャー」と永浜代表は苦笑いしつつも、

「総入れ替えをすると選手が育つだけでなく勝てるようになると思う」と話します。


理由は「ジュニア年代では体力の消耗がプレーに大きく影響する。

凄く簡単な話で、総入れ替えすると、

前後半ずっと一緒のメンバーでやっている相手よりもスタミナの面で余裕があるんですよ。

16人で物を持ち上げれば、軽く持ち上がるというのと同じ理屈です」。


 もう一つはメンタル面での効果。

一昨年の全日本少年サッカー大会の初戦で当たった高知南FCはチビリンピックベスト4のチームでした。

永浜代表は「この試合が勝っても負けても重要になる」と選手たちに伝えていました。

しかし、スタメンに並んだメンバーは発育の遅い、体格の小さいBチームのメンバー。

“大事な試合でスタメンに出られた”と選手たちは奮起し、

前半を1-0で折り返しました。


永浜代表は「ハーフタイムに僕ら指導者だけでなく、

ベンチにいたAチームの選手たちも『良かったやん』と喜んだり、

気楽な状態で後半に挑めました。


相手チームは必死に作戦を立てて、後半に挑んだのに、

うちがAチームの選手と総入れ替えしたために作戦が台無しになったのか驚いた顔をしていたんです。

前半とは違って明らかに大きな選手ばかりだったんで、会場中、驚いていました。

そうしたメンタルでの差は大きかったと思います」と振り返ります。


 そして、全国の舞台に立てた喜びや経験は選手たちの自信にも繋がります。

前半にゴールを奪った選手はチームの中で1,2を争うくらい速い選手でしたが、

これまでは精神的に幼くて、力を発揮出来ずにBチームにいました。

しかし、この試合をきっかけにゴールを量産し、JFAアカデミーに合格するまでに成長しました。



■育成年代にとっての“勝利”とは?

 兵庫県では多くの結果を残している兵庫FCですが、永浜代表が「招待大会や練習試合、

交流試合での僕らの勝つという意味は“試合に勝つ事”ではなく、

“皆を使う事、伸ばす事”だ
と思っている」と話すように、


決して勝利にこだわっているわけではありません。

兵庫FCにとって、“総入れ替え”とは、

一昨年の全日本サッカー少年大会だけでなく、練習試合でもやっている当たり前のことなのです。


 「20人連れて行って、8人しか使わず、12人は試合に出ないなんて状況は一切、作らない。

全員が“行って良かったな”と言って、帰ってこられるようにするのがうちの取り組み。


最近も、4年生の20人が遠征に行って、ガンバに1-2、

セレッソに0-1で負けたんです。


前後半で10人ずつに分けて、必ず皆が試合に出られた上での結果と考えれば悪くない。

僕らの頭にはいつも、

『この試合はAチームで行けば5-0で勝てるな』と分かっていても、

必ず全員に出場機会を与える。


10-0で勝つなら、全員を出して3-0の方が良いと思います。


僕らにすれば結果よりも、全員が試合に出られた事の方が、価値があるんです。


全員にチャンスを与えるから、コツコツでも全員が育つ。

気持ち良く帰ってくることも出来るし、次も行こう!という気持ちになれる」(永浜代表)。


 もちろん、「他のチームのように、8〜10人で使う選手を固定すれば勝てるという考えもあれば、

僕たちのようにたくさんで荷物を持てば軽いからという考えもあるというわけ。


僕らも負けたいと思ってはやっていないですからね」と他のチームのやり方を否定するわけではありません。

勝利を目指す事を否定するわけでもなく、

小学校2年生の頃から継続して多くの選手を起用することが選手の成長に繋がり、

“本当に大事な試合”で勝てるようになると話します。



■子どもを大事にするプロ意識

 そして、多くの選手に出場機会を与える理由の根底にはスタッフのプロ意識もあります。


「うちはボランティアでやっているわけではない。

多少なりともお金を貰ってやっている。

来てくれている1学年20〜30人から大会登録の16人に絞らないといけないけど、出来るだけ、

平等に扱ってあげたい。


そして、うちにはサッカーが好きな子も多いし、

コーチも含め


“お金を貰っている”という思いから生まれるプロ意識も高いので、

他のチームより“子供を大事にする”意識が高いと思う。

仕事として、ビジネスとして、やっているから生まれるモノだと思う」と永浜代表は話します。


 こうした取り組みは親御さんにも好評で、

「『うちの子、上手に使ってくれて嬉しかった』と言ってもらったりもします。

親御さんに認めてもらえたり、信頼関係を築けるのは『皆を大事に育てているよ』という

普段からの積み重ねがあるからだと思います」



なぜ… という選手起用を考えるとき…

我慢の意味は…

共感…


将来ある子どもたちのために…  という想いから…


すべてを受け入れる気持ちはないのですが…

こんな考え方も…



人生はサッカーだけじゃない。社会に適応するバルサの人間教育


「全員がプロのサッカー選手になるわけではありません。

だから人間として何かが欠けることのないように人間教育にも力を入れているのです」



 それはそうです。

よく聞くフレーズです。

でもこの言葉の主が、FCバルセロナの下部組織(以下カンテラ)の総責任者を務めるギジェルモ・アモール氏の言葉だとしたらどうでしょう?


 メッシ、シャビにイニエスタ、ピケ、ブスケツ。

2012年のレバンテ戦ではピッチ上の11人全員がカンテラ出身、

今シーズンの登録選手のうち68%がカンテラからの生え抜きというとんでもない“育成強者”

クラブの責任者が


「サッカーでも、サッカー以外でも、バルセロナが大切にしているのは

“バルセロナの選手としてふさわしい”行動をとること」と言い切るのです。


今回、約10,000kmも離れた遠い国、日本へやってきたバルサの選手たち。

東京の観光地にも足を運んだようですが、

そういった行動のなかでも彼らには“バルサの選手として振る舞うこと”が当たり前のように求められます。

選手の誰かが道端に落ちていたゴミを素通りすれば、

「あのゴミは自分で捨てたものではないかもしれないけれど、

見て見ぬ振りすることがバルサの選手として相応しいか?」とコーチが問いかけたそうです。


こういったプロセスがピッチに立ったとときの振る舞いにもあらわれるのだというのです。



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